『エンジニア採用の間違った方法「なぜエンジニアを採用できないの?」』のつづきです。

1年前に、とある凄腕エンジニアの方(Aさん)とお茶をしてた時のこと。

Aさん じゃあ熊谷さん、その前提をもとにエンジニア採用をするとしたら熊谷さんだったらどんな採用をしますか?

熊谷 そうですね。旧来の面接をしようとは思わないですね。そもそも足を運ぼうと思わない。

Aさん うん。

熊谷 僕だったら、文壇バーのようなコミュニケーションを演出しますかね。

Aさん というのは?

熊谷 体験したわけでは無いんですけど、昭和初期に直木三十五や菊池寛とか川端康成といった作家やジャーナリスト、編集者が集まる文壇バーがあると本で読んだことがあります。

Aさん うん。うん。僕も知ってます。

熊谷 彼らがなぜそこに集まるのか?ということにヒントがあるんじゃないかと思うんです。彼らもアーティストですよね。

Aさん ほぅ。なぜそこに集まるんでしょう?

熊谷 仮説ですけど、”知”や”経験”をシェアしてた。もっと簡単にいうと情報交換するため、共通言語で話せる場所に集まっていたんじゃないかと。なので、面接ではなくエンジニア同士で”知”や”経験”をシェアするコミュニケーションの場を設けます。

Aさん いいじゃないですか。ここ数年でエンジニア採用で成功している会社の特徴って、エンジニア同士の勉強会やLT、飲み会をやったりしていますよね。あとは、社長のヘッドハンティング。

熊谷 確かにそうです。

Aさん これってエンジニアのことをよくわかったやり方だなと思うんですよ。コミュニケーションを演出するというのは最初の段階では凄く重要なことです。

熊谷 重要ですね。会いたくないと思われたら元も子もないですもん。

Aさん ただ、これって凄く難易度高いと思いません?”知”や”経験”をシェアできる人間が社内にいないといけないんですよ。社長がヘッドハンティングできる器がないといけないんですよ。

熊谷 そうなんです。勉強会をやりたくても、それが原因で挫折している会社って結構あると思うんです。

Aさん じゃあ、どうするか?最初の一人を採るしかないんです。じゃあ最初の一人を採るにはどうすれば良いのか?

熊谷 そう!それが知りたかったんです。

Aさん 社長や経営陣に技術出身者がいない場合、まずやることは一つです。エンジニアをはじめとした開発者に対しての考え方を変えることです。

熊谷 最初に戻った気が……

Aさん 僕もスタートアップの立ち上げをCTOやエンジニアとして支援してきましたが、なんで最初の一人を引き受けようと思ったか。それは、社長が開発者に理解がある会社であれば良いプロダクトが作れると思うからです。

さらに彼は続けます。

Aさん スタートアップって正直何もないんですよ。これは今までエンジニアの採用に困ってきた会社も同じ。魅力となるものがないんです。最初の一人になるエンジニアもそれを理解しています。あれも無い、これも無いなんて駄々をこねようなんて思ってないですよ。けど、開発者に対しての考え方ってお金が必要だったり、大規模なリソースが必要というわけじゃない。だったらそれくらいはあっても良いんじゃないかなって思うんです。

熊谷 考え方を変えるには、お金もリソースもかからない。(笑)

Aさん さっき成功している会社は勉強会などをやっていると話しましたよね。すると、成功している会社が勉強会やっているから真似してみよう!って会社が必ず出てきます。けど、失敗する。なぜなら、勉強会というパッケージを真似しているだけで、その裏側にある考え方を真似している訳ではないから。

熊谷 間違った方向に力を傾けても正解にはなりそうにないですね。

Aさん 経営者や人事は、考え方を持ち、浸透させる人たちですよね。もし、エンジニアの採用がうまくいかないのであれば、相手を変えるのではなく自分を変える必要があるかもしれませんね。熊谷さんは経営者であり、採用に携わっているので責任重大ですよ。

最後にチクリ。コーチングされているような気づきの多い時間でした。

「あっ、そうそう熊谷さん。エンジニアでもお金で動く人もいれば、経営者のビジョンに惹かれる人もいます。人それぞれってことです。」